本屋のつぶやき

◆雑誌のヒミツ◆



雑誌のふろく

さて、今回説明させていただくのは、雑誌のふろくについてです。
これ、本屋の店員にとっては常識なんですが、働くまでしらなかった、という人もけっこう多いです。(かくいう私もその一人(^^;))「一体、雑誌のふろくがなんなわけ?」とお思いのあなた、 まあそう焦らず(笑)いまから説明させていただきます。
最近の雑誌の多くに、ふろくとよばれるいわゆるおまけがついていることが多いと思います。今の時期ならカレンダーや2005年のスケジュール帳などが、ありとあらゆる雑誌に ついていたりしていますよね。あなたもよく見かけるでしょう?実は、雑誌についているふろく、各書店でセットしているんですよ。知ってました?私は上にもかきましたが、 実際働くまで知らなかったです(^^;)コレ、ほんと。
書店によって、シュリンクされていたり、ビニール紐で結ばれていたり、はたまた輪ゴムでとめてあったり(うちの会社は最近コレです。私はビニールひもでとめるのが好きだったのにな〜)様々ですが、 なぜ同じ本なのにセットの仕方が違うのかは、各店でやっているからなんです。
雑誌というのは、「書店のしごと」でもちらっと説明しましたが、透明のビニールでくるまれて書店に納品されます。その時に外側にカラーのPPバンドが十字のかたちで巻かれているのですが、その色で 「これは週刊誌の入ったものだな」などが判別できるようになっています。(これは、どこの取次さんも同じでしょう)が、正直朝の忙しい時間にそんなことを流暢に考えている時間なんて ないわけですよ(^^;)だから、雑誌のふくろをあけていくときは、一箇所にその日入ってきた雑誌をダーッと床一面に並べて、2〜3人で一斉にハサミでPPバンドを切って、中身をあけていきます。 大体雑誌の陳列というのは、どこの書店でもジャンル別にこまかくわかれているので、台車と呼ばれる可動式のラックや、近くの棚などにジャンルごとにわけて、ある程度たまった段階で 売り場に運びます。その段階で、ふろくがあるものは本と一緒に梱包されているので、ふろくをつけてくれるひとがいるところへ持っていったりします。(私の場合は、台車が大体両面あるので、雑誌をおいている反対側 などに、どんどん置いていきますね)
雑誌のふくろを全部開けたら、とりあえず、ふろくものは後回しで(笑)それぞれのジャンルの場所に行って品だしします。最初にいくジャンルは店の規模や担当者によっても違いますが、大体その日のメインの雑誌( 週刊誌ならジャンプやサンデーなど)や、たくさん雑誌の種類が入荷してきたジャンルなどをまず最初にだしていきます。まあ、メインの雑誌については、冊数が多いんですが、手間的には前号を売り場から引いて(撤去)、 新しいものをならべていけばいいので割とラクなんですが、入荷の種類が多いものは、かなり大変です。
毎月、21〜23日はJJ・CanCan・ViViなどの女性雑誌がいやというほど入荷してきます。しかも10種類近くも入荷してくることもありますし、もちろん入荷冊数も多い!ので (しかもふろく付が多い・・・)かなり苦労します。ふろくをつける量も並大抵の量ではないので、普段なら一人でふろくつけをしている店舗でも、この日ばかりは2人がかりでせっせとふろくをつけないと間に合わないくらい 大変です。しかも、JJなどのふろくは小冊子系がおおい上、2冊もついてたりするので、ふろくが一個しかないと思い込んで後であわててもうひとつのふろくを付け足すことなんかもあります。特に私・・・おっちょこちょいなので(^^;) よくやりました。でも大体10冊くらいふろくをつけたあとで気づくので、そんなに大きな被害(?)にはなっていないのが、せめてものすくいかな(^^;)
後は車関係の雑誌が多いときも大変ですね(^^;)車のほうが入ってくる種類が多い割には、それぞれの冊数が少ないので、どうやってだしたらいいのか頭を悩ませることも多いですね〜。車の雑誌は個人的には好きでしたが あの瞬間だけは嫌でした。突然「うがーーーっ!!!」て叫びだしたいくらい(笑)。
あ、イカン。話がそれた(^^;)ふろくの話に戻りますが、雑誌を出しているときによく思っていたのは、なかよしやりぼんなどの子供向け少女コミック誌のふろくが年々豪華になっていってるんですよね〜。わたしがりぼんなどを 買っていたことに切手を買って全員プレゼントでわざわざ申込み用紙をおくってもらっていたようなものが、いまや普通にふろくでついてきてますからね。雑誌を出しながら(というよりふろくをつけながら)「昔はこういうの申し込んでもらってたよね・・・」 と他の店員とぼやくこともしばしばでしたね〜。そうなんです!最近のりぼんなどのふろくをあなたは知っていますか???ちょっとしたミニ・ポーチやペンケース、時にはアクセサリーやマニキュアなんかもついてたりするんですよ!?し、信じられない(笑) そんなのがいまや400円くらいの値段で雑誌についているんですよ!!??いやはや、世の中変わりましたよ(笑)
ただし、そうゆうふろくの時は、ふろくをセットしたときに雑誌がデコボコになるので非常に積み上げにくく、並べにくいという難点もあります(^^;)ま、早く売れてくれたら問題ないので、ぜひ出版社のかた!売れるふろくを つけちゃって下さい!(笑)

雑誌について

ちなみに、雑誌にはいくつかの種類があります。
毎週発売される週刊誌、毎月発売される月刊誌、春・夏・秋・冬などの季節にあわせて発売される季刊誌など、様々なものがあります。 週刊誌だと「週刊少年ジャンプ」や「週刊少年サンデー」「週刊少年マガジン」や「週刊女性」「女性セブン」「an・an」など、そして「週刊新潮」や「TVガイド」などが有名ですよね。月刊誌だと「JJ」「CanCan」「月刊ジャンプ」「文藝春秋」「メンズノンノ」 などがありますね。そのほかにも月に二回発売される隔週刊誌(これは確か正式名称が違う気がします)やムックと呼ばれる雑誌があります。(私はムックのことを雑誌扱いの書籍と呼んでいます(^^;) なぜなら、雑誌コードとISBNコードが同時に存在しているので)あとは増刊号などもありますね。雑誌というのは裏表紙に雑誌コードと呼ばれる5ケタの数字とハイフンをはさんで2ケタないし3ケタ の数字が明記されています。この番号がその雑誌を個別に判別するコードで最初の5ケタが雑誌を示す番号で、ハイフンのあとがその雑誌の号数をあらわしています。 ちなみに、在庫がデータとしてパソコンなどで見れるようになっているところは、雑誌コードを入力すればどの店舗に何冊入ってきたとか、あるいはその雑誌が今年どれだけ売れていたのかを月別に調べることもできます。これは店によってできるところと できないところがありますので(システムの問題など。ちいさな個人書店はまず厳しいかと思います)どこでもできるわけではないので、ご了承下さいまし。

出版社のヒミツ>>>「本の流通について」「本が届く日数」
書店のヒミツ>>>「書店のしごと」
BACK?