本屋のつぶやき

◆出版社との戦い◆



戦いのはじまりとは

さて、「出版社との戦い」といういささか物騒なタイトルですが(笑)あんまりそんな怖い話ではないのでご安心ください(^-^)
では、一体なにを戦うのかというと、それは入荷数についてなんです。別のページでもお話しましたが、書店に入ってくる本の数というのは 基本的にその店舗の過去の売り上げ数、つまりは実績に応じてということはもうご存知ですよね?つまりは店で売れていない種類の本は入ってこない、 または入ってきても数が少ない、という現象が起こります。これはある意味合理的といえば合理的なのですが(売れないものは入ってこないから、店にとって不要な在庫は減るはず・・・) これでは困る場合が実は多々あります。例えば地元出身の作家の本だったり、テレビドラマ化する原作本だったり、要は店頭で大々的に売り出したい本は 過去の実績に関係なくほしいものです。もちろん出版社によっては、事前にテレビ放映の連絡をいただけたり、「これは高知出身の作家さんなんですよ」なんて教えてくださるところも あります。(いつもありがとうございます)でも、当然そういう希望を聞いてくれない出版社さんも実際あるわけです。(泣)
出版社さんからの本の案内は、大体FAXで各書店に届くんですが、そこに「テレビドラマ化決定!●日重版出来!」な〜んて歌い文句にひかれて(?)発注しても、必殺調整出荷 をされて希望数はいってこないこともよくある話です。しかも、その調整、10冊注文していても「調整はいりました」の一言でなんと1冊まで減らされる こともあるんですよ!ひどいよ〜(><)とおもうことしばしば・・・。いや、まじでカンベンしてほしいです。こういう調整は。
しかも、最近の傾向で、売れそうな本はあえて重版せずに、客の購買意欲をそそるなんてこともしている気配アリです。ネットや口コミで話題になり始めている本を、あえて小部数の 重版しかかけず、店頭にもあまりならべられないように(もしかしたら書店を選んでいるのかも)して、お客の「どうしても読みたい!」ていう気持ちをそそっているようです。いや、企業の戦略としてはアリなんでしょうが、 お願いですからそういうのはやめて下さい。もうちょっと弱小書店のことも考えてほしいよ(><)・・・とおもう今日この頃でした☆

取次との戦い

さて、出版社との戦い、というか愚痴(笑)を披露いたしましたが、実際の配本ランクに応じて本を配本しているのは、やはり各取次さんなわけです。特に雑誌については 取次さんに配本を一任しているようなので、ドラクエ関連の本などは、取次さんに交渉して配本ランク以上の配本をしてもらうことも可能です。でも、これもあまり弱小書店だと相手にしてくれないかも しれないです。現に昔はうちの会社もそうでした・・・。今は違うけど☆(ここだけの話、ドラクエ8の攻略本、某取次さんが「●●さんの希望数必ず確保しますから、希望数教えてください!「」と 言い出した時はちょっとビビりました。だって、その攻略本、部数が少なくて、前回の売れ数の6〜7割しか配本ないって言われていた本だったんです。その取次さんは必死にウチに切られないように 必死だった模様。でも結局かなり在庫余ったけど(^^;))ちなみに、雑誌にもちゃんと配本ランクがありまして、実績があがらないと次第にランクが下がり、気がつくと配本がなくなっていることが よくあるんですが(^^;)、雑誌の配本数(ランク)は取次さんにお願いすれば、結構カンタンにあがります。(書籍は実績が伴わないとかなり難しいですが)ですから、本屋にいって 「この雑誌って入らないんですか?」と聞いてみると、書店によっては入荷できるようにしてくれるところも多いと思います。わたしは、問い合わせがあると、その雑誌は入荷させるように してましたね〜。でも、入るようになると売れなくて、配本がなくなった頃にまた「あの雑誌ないんですか?」という問い合わせを受けることが多い・・・なぜ!?(><)
え〜コホン☆話はずれましたが、配本については取次さんにもお願いしておかないといけないということですかね(^^;)書籍の配本も、大手出版社さんについては取次さんにお願いした方が 早い場合も多いので、わたしは取次さんに色々お願いすることが多いです。(いつもお世話になってます!)泣き落とししてみたり(はあんまりないけど)お願いしてみたり、かる〜く脅してみたり (いや、わたしはしないですけど)様々な手を使って、書店は本を入荷させることを頑張っているわけです!やはり、時期を逃すと売れない本は多々ありますからね〜(^^;)
とういわけで、わたしも頑張っていますので、どうかあんまり書店店員をいじめないでね(笑)

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