本屋のつぶやき

本の入荷について



本の入荷数

さて、ここで説明するのは「本屋に入ってくる本の数はどうやって決まっているのか」についてです。ちなみに、本が書店に入荷してくることを 配本といいますので、これからは「配本」ということばを使って説明させていただきます。
あ〜さてさて(笑)現在、大手書店のほとんどのレジがPOSレジと呼ばれるレジを使用しています。これはスーパーのレジやコンビニのレジなんかも同じでしょうが、その書店で何が売れたのか データを飛ばすレジであります。ちなみにうちの店舗のレジも全てそうです。リアルタイムとはいいませんが、毎日この書店ではどういうものが売れているのか データ集計され、書店担当者はもちもん出版社や取次のかたもわかるようになってます。(レジを通した商品は全てわかるようになっているので一日の売れ数や月単位の売れ数も 1円単位、または1冊単位までわかるようになっています。・・・おそろしや)
で、この話が本の配本とどういう関係があるかと言うと!・・・それは本の配本の種類に関係があるんです!
現在の書店への配本は指定配本実績配本のふたつがほとんどだからです。さて、ます指定配本についての説明ですが、これは単純に 出版社から取次に本がおくられる段階で、「この本は●●書店には○冊入荷させてくださいね」みたいな感じで指定をする配本方式なので、 指定配本といわれています。(本当はもっとシステムにのっとった形でやってるんでしょうが、そのあたりの詳しい話はいまいちわからないので、ぜひこのサイトをごらんになった出版社の かた、ぜひ情報おまちしております(笑))ちなみにこの配本方式ができるのは主に書籍とよばれる本がほとんどです。書籍というのはカンタンに説明しますと 文芸書や新書などの本のことで、本の裏側にバーコードがふたつあるものです(笑)こんな説明でいいのかわかりませんが、私が最初書籍と雑誌の違いを覚えたときは、この違いをまず覚えたので(^-^;) でも、これだとだれでもわかるかな、と思いまして。詳しい説明は今後作成する予定の本の用語集で説明していきたいと思います。
で、つづいて実績配本ですが、これがPOSレジと密接な関係にあります。それはなぜかというと、POSレジからおくられたデータを元にした配本数で配本されるからです。 昔はね〜、今のようにデータが飛ばなかったので、本に挟まっているスリップを出版社に送ってそれで売れ数確認してたようなことがあったんですけどね。それプラス本がうれなくても、わざと本を 返品しなかったりして配本数を減らさないようなことができたんですが、今はその書店の売り上げデータによって配本数を決められてしまうので、本によっては入荷しない本も多々あるようになっています。 ちなみに、実績配本されるのは、大手出版社の書籍や雑誌、そしてコミックですね。雑誌やコミックなどはほとんど取次さんが配本数を決めているので、たとえば「この雑誌、今まで実績がないけれど、次の 号にこんな特集が載っていて売れそうだから配本増やして!」なんてこともやろうと思えばできなくもないです(笑)。でもコミックなどはシリーズもので前巻がなんらかの理由で実績あがらなかった場合、 次の巻でいきなり配本が減ることもあります。(これは実際、店舗の改装などで何日か店を閉めた店舗で実際にありました。しかも配本減ったのは人気コミックだった・・・)なので、ぜひ好きなコミックなどは 「ここで買う!」と決めた書店で買いつづけてあげてください(笑)。そうすればその書店でずっとそのコミックは売れた分は入荷してきますからね(^-^)

新刊以外の入荷

さて、上記で説明したものは全て新刊についてです。それ以外の入荷物、つまり補充や追加で発注した商品についてカンタンに説明いたします。
新刊以外の本は基本的に発注しないと本は入荷してきません。まああたりまえといえばあたりまえなんですが(^^;)もちろん例外はあります。コミックや書籍の売れ筋商品については、 各取次の判断で自動的に追加分が入荷してくることがあります。でも、そういうものは書店に今ある在庫を確認したうえで、ということがないので、「こんなに在庫あるのにまたおくってきやがって・・・(怒)」 という場合もしばしばあります(^^;)実績のあるものをおくってくるのはいいんですが、在庫をたくさんもっているから売れているんだ、ということも少しは考えてほしいなぁ・・・なんてこっそり文句言ってみたりして☆
さて、本題に戻りまして(^^;)各書店の担当者が出版社に「●●を追加で○冊お願いします」という注文したものが随時書店に入荷してくるわけですが、これも商品によっては希望数が全部入ってこないこともありますし、 出版社から「現在品切れ、重版検討中なので注文お受けできません」なんて断られる場合もあります。まあ、発注方法もいくつかありますが、電話で発注した場合は、注文したい本が現在在庫があるのか、または 在庫がなくても重版の予定があるのかなどが直接確認できるので、担当者としては売り場の構成の予定が立てやすいのでいいのですが、発注数が多いもの(コミックや文庫など)や昼間に電話注文ができない担当者 などは、そのたの発注方法をとらなくてはいけないので、いうなれば投げっぱなし発注になるので、本が入荷してこないと売り場が作れないなんて事もしばしばあります。特に今はネットでの発注が多いので 入荷日など発注結果がわかるものはいいんですが、そういった確認のできないものは入荷するのを待つのみ、というきわめて受動態なことしかできません。私は電話発注推進派なんですが(笑)店にいくと「電話発注なんてしたことないです」という 担当者も多いのが現実ですね。
あ、イカン。本題からずれた(^^;)で、結局何が言いたかったのかというと、新刊以外の本は注文しないと入ってこないよ、ということだけですね(^^;)あ、ついでにちょっと補足しておきますが、新刊も補充も入荷数はその書店の実績なども 関係してますが、出版社の本を作る部数にも関係しています。前にも説明しましたが、本によっては作る数も違いますし、注文がはいる数も違うので、出来るだけ注文した書店に本が入るように部数を調整 することがあります。ですので、売れ筋商品などは注文した数から減数されて入荷してくることもしばしばです。よく店舗の担当者に泣き付かれて(ほえられて?)います、私も(^^;)でも、結局本を売るのはわたしたち書店の現場にいる人間なのですから 売りたい本がちゃんと入ってこないときなどは、本気で泣きたくなります。(怒りもしますが)まあ、今の出版業界の流れでは、全ての商品が希望通りはいってくるようになるには、まだまだ遠いんでしょうねぇ。はぁ・・・(ため息)


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